RAID(ミラーリング)の落とし穴

パソコンの量販店に行ったり、いろいろなカタログを見ていると、パソコンのデータの保護のためのミラーリングのハードディスク装置がたくさん売られています。

ミラーリング(RAID1)では、複数台のハードディスクに、同時に同じ内容のデータが書き込まれます。

私の脇で動いている2台のパソコンもミラーリングになっていますが、過去、ミラーリングのうちの1台のハードディスクが突然壊れてしまって、もう一方のハードディスクがあったので命拾いしたということが何度かあります。

「ハードディスクは、原則として突然壊れるものだ」、という意識をもっていると、ミラーリングは、必須の装置だと思います。
そういうわけで、ミラーリングの装置が普及することはいいことだと思いますが、実は、ミラーリングにはとんでもない落とし穴がありますので、今回は、その代表例をご紹介であります。

【その1】
ミラーリングの短所として、ミラーリングは、容量の点で効率が悪いと言われます。
というのは、複数台で1セット、1台分の容量しか使えないからです。

例えば、容量120GBのハードディスク5台でミラーリングをした場合、全部の容量の合計は600GBなのに、実際に使用できるのは、120GBです。

しかし、ハードディスクは大容量化、低価格化していますので、この点は以前より気にならなくなったように思います。

【その2】
ミラーリングで恐ろしい事態は、例えば、2台のうち1台が壊れてしまって交換する際に起こります。

壊れているハードディスクを交換する際には、データの入ったハードディスク→空のハードディスクにデータをコピー(複製)しますが、間違えて、空のハードディスク→データの入ったディスクにデータをコピーするとどうなるか?です。
空のミラーリングが完成してしまい、重要なデータを「全て」失ってしまいます!

ミラーリングの装置は、抜いて交換した空のハードディスクの方に自動的にデータがコピーされるようになっていたりしますが、この仕組みがあっても、抜き差しの段階でうっかりミスをしてしまうと、やはり、重要なデータを「全て」失ってしまう可能性があります!

【その3】
例えば、ウィルスでデータを壊されてしまったとします。
あるいは、うっかりミスで、データを削除してしまったとします。
最悪な場合、間違ってハードディスクをフォーマットしてしまったとします。

ミラーリングということは、全てのハードディスクが同じ状態になります。
つまり、全てのハードディスクがウィルスにやられてしまいますし、全てのハードディスクからデータは削除されてしまいますし、一度に全部のハードディクがフォーマットされてしまいます。

つまり、ミラーリングというは、「悪い事態もミラーされてしまう」という落とし穴があることを覚えておく必要があります。

【その4】
少し専門的になりますが、ミラーリングの装置のついたパソコンにOSをインストールする場合に、最初の段階で、ドライバを読み込む必要がある場合があります。

Windows2000やWindowsXPでは、画面の一番下に、確か、「F6キーを押して下さい」というようなメッセージがでます。

慣れないうちは、このメッセージを見過ごしてしまうと思いますので、注意が必要です。

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さてさて、ミラーリングは、実は使い方に用心しないと怖い装置で、万能ではない、ということがわかっていただけたと思います。

では、パソコンのデータを保護するにはどうすればいいのか?というのが、本日最後のテーマとなります。

ポイントのみをお伝えすると、「バックアップ」をとる、ということです。

ミラーリングの一番の落とし穴、誤解しやすい点は、「ミラーリング」=「バックアップ」と考えやすいことです。

しかし、ここでご紹介した例でもわかるように、「ミラーリング」と「バックアップ」は別です。

つまり、データを保護するには、「ミラーリング」と「バックアップ」の両方を併用するのがいい、ということです。

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