この1カ月ほどのパソコンのトラブルの多くは、セキュリティソフトに関してのものです。
同じようにセキュリティソフトが原因で悩んでいる人きっと多いとおもいます。
【事例その1】
東芝の最新のノートパソコンの無線LANでインターネットが利用できないという相談を受けました。
インストールされているソフトの中に、有害サイトへのアクセスを制限するソフトがインストールされていました。
そこで、このソフトをアンインストールしてみましたが、ホームページは見えませんでした。
ところが、よく調べてみると次のような不思議な状況なんです。
1)ネットワークがつながっているかをテストする「ping」というコマンドを使うと、アクセスポイントやルータに「ping」が通ります。
つまり、無線LANはつながっているということなんです。
2)また、「ping」をヤフーのIPアドレスに向けると、「ping」が通るのです。
ということは、インターネットにもつながっている、ということなんです。
つまり、ネットワークは、内部はもちろん外部ともつながっているのに、「ブラウザでホームページだけが見えない」、という症状なわけです。
そこで、この犯人はセキュリティソフトだろうと思い、インストールされていたセキュリティソフト、McAfee(マカフィ)の設定をいろいろ動かしてみました。
そうしたところ、ついに、ホームページが見えるようになりました。
つまり、今回の症状の原因は、セキュリティソフトのMcAfee(マカフィ)でした。
【事例その2】
ある事務所にパソコンをセットアップしてから納入をしました。
事務所内のネットワークの設定の前に、某コピー機メーカーの担当者が、コピー機で印刷できるようにネットワークプリンターの設定をしにやってきました。
ところが、プリンターのドライバーをインストールして、コピー機にもパソコンにも正しいIPアドレスを設定したのに、プリントアウトできない、というのです。
結局、いくらパソコンとコピー機の設定をやり直してもうまくいかないので、あとの作業は私が引き継ぐということになって、その担当者は諦めて帰ってしまいました。
実は、そのパソコンには、ソースネクスト社の「ウィルスセキュリティZERO」がインストールされてあったのです。
つまり、セキュリティソフトが「コピー機との通信を遮断してしまっていた」ために、プリントアウトできなかったというわけです。
早速、コピー機のIPアドレスへのアクセスを「許可」にする設定をしたところ、無事プリントアウトできました。
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事例その1で手間取ってしまったのは、私がMcAfee(マカフィ)に慣れていなかったからです。
事例その2ですぐに解決できたのは、似たような事例をたくさん経験していたからです。
別にセキュリティソフトが悪いわけではなく、たくさんの事例を経験して慣れていさえすれば意外と簡単に問題は解決できるのかもしれません。
しかし、ほとんどの人はセキュリティソフトに慣れていないはずです。
ネットワークでトラブルが起きると、その原因をつきとめるのが困難ですが、次のことをぜひとも覚えておいて下さい。
「ネットワークに関してトラブルが起きた場合は、まずは、セキュリティソフトを疑ってみるべし!」
これが、最良のアドバイスだと思っております。