複数の人にメールを出す場合の注意-「Cc」=「Carbon Copy」/「Bcc」=「Blind Carbon Copy」

あるお仕事をしている女性が、お客様からもらった名刺のメールアドレス宛にメールをすることになりました。
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件名:あなたと私だけの ☆ヒ☆ミ☆ツ☆

本文:たくさんのお客様がいますが、私が本当に好いているのはあなた様だけです(チュッ)
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さて、このメールを出した後、この女性はいったいどうなったと思いますか?

この女性、100人のお客様全員から総スカンを食ってしまいました。

実は、この女性、「宛先」に全員のメールアドレスを書いて、一通で100人全員にメールを送ってしまったのです。

複数のメールアドレスを入力したメール送信画面

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複数の人に同じ内容のメールを送る場合、確かに、「宛先」に人数分のメールアドレスを入れると、1通で全員にメールを送ることができます。

しかし、この方法の欠点というか特徴は、「宛先」に入っているメールアドレスを、メールを受け取った全員が見ることができてしまうことです。

つまり、この女性が、「あなたと私だけ」、「好いているのはあなた様だけ」と言っているのに、メールを受け取った100人には、「同じことを他の人にも言っているんだ」、ということがわかってしまうのです。

しかも、アドレス帳に名前を載せていた場合は、メールアドレスが名前付きで送信されてしまいます。

見ず知らずの100人が(場合によっては、実は知り合いが混じっているかもしれませんが)、お互いにこの女性関係を中心にメールアドレスと名前を知ってしまうことになります。

このように、自分の名前とメールアドレスがばらまかれてしまったら、困ってしまうと思いませんか?
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そこで、もう少し詳しい人は、「宛先」に書いてしまったからいけないんだ、別欄の「Cc」に書けばよかったんだ!というかもしれません。

しかし、これも×です。

というのは、「Cc」の場合も、ここに書かれたメールアドレスは、「宛先」と同じく全員に見えてしまうからです。
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では、どうすればよかったのか?

こんなときのために(本来の目的ではないでしょうが)、「Bcc」という欄があります。

「宛先」や「Cc」との違いは、「Bcc」に入力したメールアドレスは他の人には見られない、ということです。

つまり、この女性は、「Bcc」に100人のメールアドレスを入れて送信すれば、よかった、というわけです。
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ここで、「宛先」についてはわかるとして、「Cc」、「Bcc」の違いについてです。

B=Blind ・・・・・「ブラインド・カーテン」のブラインドで「目隠し」
c=Carbon・・・・・「カーボン紙」のカーボンで「写し」
c=Copy・・・・・・「コピー機」のコピーで「複写」

「Cc」と「Bcc」の違いは、「Blind」の有無で、「目隠し」されているか否かです。
つまり、メールの受信者は、「Cc」の欄のメールアドレスを見れますが、「Bcc」の欄は見えません。
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【具体例1-Cc例】

係長Aは、「宛先」= 部下Bの名前、「Cc」=課長Cの名前 を入れて、業務の指示のメールを出した。

→部下B・・・「Cc」=課長Cの名前を見て、「この案件は、課長Cにもメールがいっているんだな」ということがわかります。

→課長C・・・「宛先」= 部下Bの名前を見て、「部下Bに業務連絡がいっているな」ということがわかります。
       「Cc」=課長Cの名前を見て、「自分にもメールが届いていることを部下Bはわかっているな」ということがわかります。
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【具体例2-Bccの悪用の例】

インターネットの世界で、今一番の問題は、「ネット犯罪」と「スパムメール」だと思います。

「スパムメール」を出す側は、この「Bcc」に何百、何千、何万というメールアドレスを入れて、一斉送信をしています。

「複数の人に同じ内容のメールを送る」ことができますので、手間がかかりません。

しかも、郵便を使ったダイレクトメールの場合には、切手代が出した人数分かかってしまいますが、インターネットのメールを使う場合には、ゼロ円に近い金額で、大量の超迷惑メールを送りつけることができます。

これが、Bccの悪用の顕著な例です。
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話は少しそれますが、スパムメールは、メールを受け取る個人レベルでも、非常に迷惑だということはお分かりだと思います。

しかし、もっと大きな視点で見ると、スパムメールは、インターネットの世界全体にとっても、非常に大きな問題なんです。

一般の郵便で考えてみればわかりますが、集配人の車のハガキや封筒の大多数が行き先不明の郵便物だったとしたらどうなると思いますか?

言葉はよくありませんが、郵便物がゴミばかりでしたら郵便業務が成り立たなくなってしまいます。

インターネットの世界でも同じで、スパムメールのために、大切な共有の資源が使われてしまっているのです。

私のところでは、レンタル・サーバーを運営しているのですが、宛て先不明のメールの数が半端ではありませんので、このことを実感します。

各大手プロバイダーが、スパムメール対策をとりはじめていますが、スパムメールなくなって欲しいと思います。

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